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Whisper
2024/05/14[Tue]
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2011/12/26[Mon]
我が子語り【稉】

過去や我が子同士の繋がりを。

設定関係において多少のグロや死的要素が含まれますのでご注意ください。
画像はありません。ひたすら文章。




【出生】
人知れず地図にも載らないほど人里から隠れるようにして存在した小さな集落。
そこでは一年にある厄を纏った一日を【厄日】、数年に一度の周期で訪れる年を【厄年】と呼んだ。その二つが重なる最大の【災厄】。そして“災厄に生を受けた子は死を招く”と古くから伝えられてきた。また、此れを何よりも重んじ、最優先に回避していた。
集落には様々な種族が少人数ながらも互いを助け合いながら穏やかに過ごしていた。外部との交流は殆どなかったが、それでも時折行商に出向く者も居る。彼等から俗世の話を聞く事で時代の流れに対応もしていた。そんな中、集落にとって何度目かになる災厄の日。人々はその年に身篭った女に目を光らせた。災厄の日は確定されたもの。なんとしてでもその日に生まれてくる赤子を阻止しようと躍起になる。

この年、集落には珍しく身篭り出産を控える女が極端に少なく長は内心安堵していた。可能性は二つ。特に一方の子は災厄の日に生まれる事はまずないだろうと見込んでいた為、残るは一つ。その子にのみ注意を払えば良しとされた。長の命により身篭った女は出産の日が確定するまで安全な場所へと隔離される事となっり、そして災厄の日も目前となる。隔離された女は何不自由なく、且つ監視下の元にその日が過ぎるまで何事もなく過ごしていた。誰しもがこうして災厄を免れるだろうと胸を撫で下ろしていたが、そんな陰で“それ”は着々と進んだ。
真の厄をその身に背負った赤子は、実は隔離された女の子ではなく、誰しもが有り得ないだろうと踏んでいた女に因ってもたらされる事となる。それが判明したのは災厄の数日前。直後、夫は長に知られぬよう妻を誰も踏み入れぬ山奥の小屋に移動させると自らは集落に残り何食わぬ顔でその時を待った。しかし災厄の日の前日、ふとした拍子、集落の若者が女が居ない事に気付く。それはすぐ長へと伝わる。夫は既に妻を連れて集落を出た後だったが長は二人を見つけ次第、その赤子と共に抹殺するよう命を下した。腹の子を抱え逃げる妻には限界があり、やがて災厄の日を迎えた早朝、集落からの追っ手に因って彼等はその場で命を落とす。その亡骸を見届けた長は生まれてくることのない厄に安堵を示すると、襲撃に向かわせた若者達と共に帰路に着き宴を開いたという。
しかし、本当の災厄はこの後に起こった。殺された筈の夫は虫の息ながらも集落の者達が去った後も命絶える事無く一命を取り留めていた。そして既に隣で息絶えた妻の腹へと耳を当てた。そこには確かに聞こえる微かな鼓動が。赤子にトドメを刺したはずの刃物は確かに母親の腹部を貫通していたが、赤子はまだ息をしていたのだ。夫はその事実に気付くと妻の腹部へと腕を突っ込み血塗れの赤子を取り出した。そして自らの身に纏った上着で包み一人命科ながら下山する。そうして災厄の日に生まれた赤子は確かに存在し、父親である男は下山した先の小さな村で匿われ赤子と共に救われた。

父親はその子を「稉」と名付けた。それから自らの体力が快復すると世話になった村を抜け出し、集落へ生きている事が知れぬよう遠く離れた地へと子と共に向かい、やがてたった二人、山岳に立てた小さな小屋での生活を始めた。
稉の成長は目覚しい程だった。父親は稉が3歳を迎えると刀を持たせ自らの知り得る急所の総てを教えた。彼が5歳になる頃、総ての仕上げとして自ら(父親)の命を絶つ事を命じる。そして子に自らの出生の秘密や意味を教えた。その時稉は平然と父親の話を聞き、最後に笑みを浮かべたまま一撃で葬り去る。そしてその亡骸を人知れず地に安置したとされる。
父親は集落への激しい憎悪を抱いていたが、稉にとっては既にどうでもよかった。彼の遺志とは裏腹に、稉は人の死そのものへ執着を見出していたのだから。ただ、それから暫くの時が経った後、気紛れに訪れた「里帰り」と名乗る若者が目撃され、立ち去った後に血に染まった集落があったとの噂は麓の町へと広まったらしい。

稉が自ら手に掛け弔った相手の時刻・死姿・安置場所などの総てを記憶している。


【暗部組織 - 誘 -】
父親と死に別れた後、一人転々としてはその時々に見つけた獲物を狩った。それに因って弔い欲を満たしていたが、次第にその欲は増すものの、一時しか訪れない瞬間は貴重で満足を十分に得る事は困難だった。いつしか「葬りたい相手」を厳選し、愉しみを増幅させて”その時”に備えるようになると、その対象を集めるようになる。それが「誘」の始まりであり最初にその対象として出会ったのが洙艶である。
次第に同胞の数が増え、元々身寄りのない元達が数を成していくと、彼等に人里離れた小さな場を提供した。そこを集落としたが稉本人は殆ど寄り付く事はなく、相変わらず一人で各所を転々としている。

<掟>
一、身体の一部に同胞の象徴である刺青を刻むこと
一、同胞となる者は脱退の有無に関係なく何れ稉に因って弔われるものとする
一、各個人における他組織等の活動を許可す


【目撃情報】
①洙艶宅 : 愛用の暗器である扇のメンテナンスと様子見を兼ねて不定期に庵に出現する。
②バルディ邸? : 目撃情報はごく稀。
③枯山水 : 閉店間際、白夜頃に訪れる事が多い。
④鎖され渓谷 : 時間帯不明。身を固める闕の様子を窺いつつ、水音銀杏に接触しているらしい。
⑤??? : イルヴィストに接触する為に訪れる場所。所在は不明。場所や時間帯は不定期。
⑥集落【誘】 : 同胞達へ情報提供など。長期滞在は皆無。
⑦キル宅 : 埋葬関連の相談と交渉。不定期。


※※※※


7割くらい掴めてても文章としての表現が難しい代表な気がする。
洙艶が「得体の知れない」っていうけど、まさにそんな人。


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